ごあいさつ

本物のおいしさでよろこびと感動をつなぎたい。
おせんべいは素直なお菓子です。
小麦粉・卵・砂糖といったシンプルな素材を使用していますので、
その善し悪しがそのまま顕れます。
素材だけではありません。作り手は日々の努力を積み重ね、
技と心を磨きながら1枚1枚のおせんべいと真剣に向き合っています。
そのような私たちの想いが詰まった本当においしいおせんべいを、
多くの方に味わっていただければ嬉しく思います。

私たちは、原材料の生産者様や納入業者様、お客様、地域の方々といった
私たちにかかわるすべて方の想いを大切につないでいくことで、
みんながお互いによろこびあい、感動しあえることのできる会社を目指しています。

鈴木屋四代目店主 鈴木祥成

社長インタビュー

鈴木屋のおせんべいを知る

商品の魅力についてお聞かせください。
鈴木屋のおせんべいの立ち位置は、そんなに高級ではなく、でも身近で特別なお菓子。ギフトとして使うこともあるけど、どちらかというと自分へのご褒美に買ってくる、ちょっと誰か友達の家に遊びに行く時に友達と一緒に食べようかなと思って買う。そんな、少しだけ普段とは違う、特別な時間を過ごすことのできるお菓子をイメージして作っています。
食べたときの食感が軽く、軽く噛めば口の中でポロポロと崩れるのも特徴です。だから新商品を作る時に「堅いおせんべいは絶対作らないでおこうね」って話しています。鈴木屋のおせんべいは堅くなくて食べやすいから、お年寄りでも食べられる。また、小さいお子様でも食べられるというところをひとつの柱としていて、その中で、原料をできるだけ地元の岡山産で選ぶようにしています。

おせんべいに合う原料はどのように決めているのですか?
実際にその素材でせんべいを作り、検証することで判断しています。例えば、今の柚子の原料でも、柚子の蜜を作る時に、果汁とお砂糖を混ぜます。現在使用している柚子は果汁を絞る時に中の実の部分の果汁だけではなく、皮ごと圧搾する手法を取られています。香り成分を多く含む皮ごと圧搾することで、香料をいれずに、柚子本来の匂いと味がする自然な味のせんべいを作ることができています。

小麦粉は、原料の段階で成分の数値をある程度知ることはできますが、いいと思って使ってみてもおせんべいの生地がふわっとならなかったりするので、実際に焼いて試してみないと食材選びはできませんね。

おせんべいは年配の方に人気があるのですか?
おせんべい=お年寄りのお菓子みたいなイメージがありますよね。
今のお年寄りの方は小さいころから当たり前におやつとしておせんべいを食べられていました。
それが今は選べるお菓子の種類も多く、スーパーなどでもおせんべいを見る機会が少なくなったので、特に若い世代の方はおせんべいを食べる機会が減ったのだと思います。
大量生産するスナック菓子に比べて値段が割高になるところもありますが、一つ一つ丁寧につくる昔ながらのお菓子を、幅広い年齢の方に伝えていきたいと思っています。

若い方向けにどのような工夫をされているのですか?
若い方にも食べてほしい、知ってほしいという気持ちがあり、見た目にはクッキーのようなおせんべい「クーク」を発売しました。でも、バターは使っていないしクッキーよりカロリーが低い昔ながらの小麦せんべいをベースとしています。
パッケージにも気を配り、おせんべいらしくないかわいいデザインにしました。
サイズも小さくて一口で食べられるのでボロボロこぼしにくく、小さいお子様にも人気です。

積極的に新しい商品開発を進めているのですね。
商品開発は、今まではずっと私が主導でやっていたのですが、今は工場長に任せています。工場長はお菓子の知識も豊富で、味覚もしっかりしています。私では考えつかないひと手間をかけた商品を試作しているときには、なかなか味が決まらないこともよくありますが、何度も試作を重ねてうまく仕上げていっています。
良いもの、こだわりのあるものを追求するとどうしても手間が増えてしまいます。そこを工夫することで、みなさまに価格的にも納得していただけるお菓子を完成させたいと思って商品開発をしています。
そんな中で、「どらせん」が生まれました。せんべいで餡子を挟むどらせんは他社にはない商品ですので、誰もが覚えていただけます。お子様の朝ごはんや、受験勉強の夜食に食べたりもされていると聞いています。ぱっと食べられる手軽さがいいみたいです。

鈴木屋を知る

鈴木屋の社員についてお聞かせください。
私が言うのもなんですが、みんなすごく真面目に仕事をしています。何事も一生懸命やってくれるので、本当に感謝しています。
鈴木屋の理念に「何事にも楽しく本気で取り組む」という言葉があります。まだまだ全員が毎日仕事をするのが楽しいというところまでは到達できていませんが、私自身はしっかりとみんなと向き合い、毎日楽しくいい仕事ができる環境を整えることをこれからもやっていきたいです。
社員数が増える中で職場環境もどんどん変えていきたいと思い、自分では色々言っているつもりなのですが、あまり押し付けたらみんなに負担ではないかと心配しています。でも、社員さんからは「もっと強くはっきり言ってください!」と逆に言われます。少しずつですが社員さんは、理念やビジョンを理解して、自分たちが働く環境を、自分たちの手でもっと良くしていきたいと考えてくれていると思っています。

理念やビジョンを会社に浸透するために、何が大切だと考えていますか?
私が話すだけでは、一方通行で伝わらない。言葉とともに普段の私の行動が大切ではないかと考えています。また、経営理念を行動計画まで落とし込み、理念と計画のつながりをみんなが理解・納得できるようにしていくことで、浸透していくのではないでしょうか。今はそこをしっかり突き詰めるように努力しています。
理念にはいいことを書いていても、まだまだ会社としてできていないことが多くあります。あまり先ばかりを見ず、時にはしっかりと足元を見つめて一つ一つの課題をきちんと解決していき、社員さんが満足して働くことのできる会社を目指していきたいです。

現場の方に勉強してほしいこと、学んでほしいことはなんですか?
外をしっかり見てほしいと思います。例えばお客様がどういう風に喜んでいるかとか、原料がどのようにして当社に入ってきているかとか、そういったところがもっと見えた上でおせんべいをつくったら、もっといいものが作れると思っています。
商品を包装する際には、『お客様が袋を開けてみんなで食べようとなって、一枚、「はい」って渡されたら、渡された人はその一枚のせんべいで鈴木屋の価値を決めるのだから、1枚ずつ気持ちを込めて丁寧に詰めましょう』という話をよくします。
食べる方の気持ちをどう捉えるかということを大切にしてほしいので、お客さんと直に接するイベント等でお客様とのコミュニケーションを図り、おせんべいをつくるだけでなく色々と経験できる環境を整えていきたいと考えています。
また、小さな会社ですので、社内にいるだけでは成長のスピードも限られます。社外の講習などにも積極的に出て、人間的にもいろいろなことを吸収して成長してもらえたらと思っています。
製造業ですので、どうしても効率は求められます。もちろん大切なことなのですが、これからはサービス業の要素もしっかり意識していきたいと思っています。お店の接客だとか電話の応対とか。どうすればもっとお客様に喜んでいただけるのか。いたって当たり前のことですが、仕事は人とのつながりが基本です。そのために人間的に絶えず成長し続けてほしいと思っています。

四代目を知る

四代目(鈴木社長)について教えてください。
趣味はマラソン、ディズニー、観劇です。劇団四季のミュージカルには、音楽に携わる子供も連れていって一緒に楽しんでいます。
舞台での演劇を見るのは、テレビとはまた違います。演劇って、そこで生身の人間が演じていて、そこで本当に喋っていたり、歌っていたり、踊っていたり、とてもおもしろいです。元々映像のものを舞台に作り上げるにはいろんな工夫が必要で、その際のクリエイターの想像力も仕事の参考になります。テレビで見ている役者さんが出演していたりすると、テレビではやり直しがきくのでいいようにしか映りませんが、実際に舞台で見ると、この人は演技が上手かそうでないかが、はっきりと分かります。やはり本物はごまかすことができません。
「本物」ということは大事にしていて、世の中はよく考えると実際は情報に左右されているということが多くあります。食べ物も同様に、いろんな情報をまだ吸収していない子供は、気に入ったものは「おいしい」といってよく食べるし、おいしくないものはだまって食べない、本音で正直です。それに対して大人は、いろんな情報のせいで味の感覚がブレやすいと思います。ブランドとか、雑誌に載っていたとか、並んで買ったから、テレビで見たから、そういった情報に左右されて食べたときに、「おいしい」と思っていることが多いと思うんです。情報が間違った本物をつくることもあります。だから、鈴木屋のせんべいは余計なものを使わずに、小麦粉・卵・お砂糖といったシンプルな材料でどう表現していくか、「本物」であり続けるためにどうすべきなのか、日々意識し続けています。
このインタビューは2016年3月に実施しました。